結婚式の準備中にこんな噂を聞いたことはありませんか?
結婚式場の専属カメラマンは写真が下手らしい…。
こんな話を聞いたら不安になりますよね。
大切な結婚式。後悔しないために結婚式場に持ち込み料を払って外部のカメラマンにお願いしようかな、と考えていらっしゃる方もいると思います。
この噂、半分ウソで半分ホントです。
その理由を説明します!
結婚式場の専属カメラマンとは
そもそも結婚式場の専属カメラマンとはどのようなカメラマンを想像していますか?
結婚式場で働いている社員カメラマン、とかでしょうか。
実は結婚式場の専属カメラマンと呼ばれるカメラマンには色々な立場の人がいます。
例えば、結婚式場の社員カメラマンや、結婚式場が契約している写真会社の社員カメラマン、結婚式場もしくは写真会社と契約をしているフリーカメラマンなどです。
その中でも多いのは、写真会社の社員カメラマンとフリーカメラマンです。
写真会社からカメラマンが結婚式場に派遣されています。
専属という言葉に惑わされがちですが、ほとんどの写真会社は複数の結婚式場と契約をしているため、同じカメラマンが複数の結婚式場に派遣されていることが多いです。
午前は結婚式場A、午後は移動して結婚式場Bで撮影ということもありました
ウェディングフォトグラファーのお仕事の流れについては、こちらの記事でも詳しく書いていますので気になる方はぜひ。
結婚式場の専属カメラマンはみんな写真が下手?
ここでは結婚式場の専属カメラマン=写真会社に所属するカメラマンとします。
ネットの掲示板などで「専属カメラマンが下手すぎた。フリーランスのカメラマンに頼めばよかった!」というような投稿を見かけることがあります。
また、写真会社に所属しているカメラマンは写真が下手だからフリーランスになれない、と言われることもありますがそんなことはありません。
写真会社に所属するカメラマンの中には上手いカメラマンも沢山います!
むしろフリーランスのカメラマンになるための資格なんてないですし、フリーカメラマンです!と名乗れば、誰でもフリーカメラマンになれるので、フリーカメラマン=写真が上手いということにはなりません。
フリーランスになれば、写真会社に所属する場合に比べ撮影1件の単価もぐっと上がりますし、写真会社に決められたルールに従わず自由に撮影ができます。
フリーランスになる方がメリットがあるように思われますが、写真会社に所属するカメラマンはなぜフリーランスにならないのでしょうか。
これには色々な理由があると思いますが、ほとんどが「フリーランスや経営に興味がない」「安定志向」が理由です。
フリーランスになるということはプランや料金の考案、集客・接客、撮影、レタッチ、納品、売上管理など全てを自分でやらなくてはいけませんし、毎月の給料や休日は保証されません。
どの業界でも一緒ですよね。
フリーランスのカメラマンはもちろんカメラの腕にも自信もありますが、経営にも自信(興味)がある経営者タイプが多いです。
それに対して、写真会社に所属している上手いカメラマンは経営に興味がなく、カメラが好き、写真が好きという職人タイプが多いです。
職人タイプは撮影スキルの向上に余念がありません。
たくさん撮影をして改善点を見つけてどんどんスキルを磨いているのでとても上手いです。
また、写真会社も上手なカメラマンは手放したくないので他のカメラマンに比べて給与面などで待遇がよかったりします。
その写真会社の柱として難易度の高い撮影に行ったり、後輩カメラマンの教育にも携わったりしています。
写真の技術の良し悪しは専属カメラマンもフリーカメラマンも関係ありません。
冒頭で回答した「半分ウソ」はこの理由です。
では、「半分ホント」の理由、なぜ専属カメラマンは写真が下手な人がいるのか。
なぜ結婚式場の専属カメラマンは写真が下手だと言われるのか?
これには2つ理由があると考えます。
①ハイシーズンに経験の浅い副業カメラマンやバイトカメラマンが撮影をすることがあるから
②専属カメラマンには品質を保つための細かいルール設定があるから
ひとつずつ解説していきます。
理由1:ハイシーズンに経験の浅い副業カメラマンやバイトカメラマンが撮影をすることがあるから
結婚式のハイシーズンである9月〜11月、3月は結婚式を挙げるカップルが多くカメラマンも人手不足です。
そのため写真会社はハイシーズンに向けて新しくカメラマンを募集します。
ちゃんとスキルを見極めて信頼できるカメラマンだけを採用する写真会社もあれば、とりあえず人を集めるために未経験でも採用する写真会社もあります。
後者の写真会社では、ハイシーズンまでにカメラの使い方から撮り方、結婚式場での振る舞い方などを先輩カメラマンが教育していきます。
何度も研修を行い、一人前に成長すればカメラマンとしてデビューするというのが通常の流れですが、人手不足が深刻化すると技術不足でも撮影に行かせてしまう写真会社もあります。
結果的にこのようなカメラマンがクレームになり、結婚式場の専属カメラマンは写真が下手だと言われるひとつの理由だと考えます。
こちらの記事で結婚式はオフシーズンがおすすめの理由を書いています。
よければご覧ください!
理由2:専属カメラマンには品質を保つための細かいルール設定があるから
結婚式場および写真会社はもちろんクレームを出したくありません。
契約時に見たサンプルアルバム(写真)と仕上がったアルバム(写真)が全然違ったらサンプルで見せてもらってたのと違う!とクレームになりますよね。
契約時にはより高級なアルバムを注文してもらえるようにサンプルのアルバムは上手いカメラマンが撮った写真を使って作ります。
でも結婚式当日に撮影に入るのはそのサンプルアルバムを撮ったカメラマンとは限りません。
そのため結婚式場の専属カメラマンには出来るだけ同じ品質の写真が撮れるように細かいルールがいくつも設定されています。
例えば、挙式中はバージンロード後方からチャペル全体を写したカットを必ず撮らなければいけないとか、ブーケの上に手を重ねた指輪のカットを必ず撮らなければいけない、などシーンごとにたくさんの決まり事があります。
この決まり事をすべて守ることで写真の品質を一定に保つことができるのですが、ルールに縛られるため自由に撮影ができません。
結婚式は十人十色。すごくいいシーンでもルールを優先させるためにベストポジションで撮影ができないこともあります。
これが結婚式場の専属カメラマンは写真が下手だと言われるもうひとつの理由だと考えます。
フリーランスのカメラマンはそのようなルールはありませんので自由に撮影ができます。
例えば挙式のキスシーンでは、専属カメラマンはバージンロード中央から写真を撮ることがルールだとします。
フリーランスのカメラマンはそのようなルールはないのでどこからでも好きなアングルで写真を撮ることができます。もしくはキスシーン自体を撮らなくてもいいのです。(新郎新婦さんがOKであればですが)
自由に撮影ができるフリーランスのカメラマンと比べるとルールに縛られた専属カメラマンは下手に見えてしまう場合があるのだと思います。
しかし、自由に撮影のできるフリーランスのカメラマンでも持ち込みカメラマンとして撮影に入る場合、結婚式場の方針によってはカメラマンに行動制限がかけられることもあります。
(専属カメラマンには入れて、持ち込みカメラマンには入れない場所など)
持ち込みカメラマンを検討されている新郎新婦さんは結婚式場にしっかりと確認をすることをおすすめします!
まとめ
- 結婚式場の専属カメラマンはみんな写真が下手というのはウソ。
でも下手なカメラマンがいるのはホント。 - 専属カメラマンには品質を一定に保つためのルールがある
- フリーランスのカメラマンは撮影のルールがないので自由度の高い撮影が可能。
ただし、持ち込みカメラマンとして撮影に入る場合、結婚式場によっては専属カメラマンにしか撮ることを許されていないポジションがあるため逆にいい写真が撮れないこともある。
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